ニューロオリキュロセラピー研究
ニューロオリキュロセラピーの研究は世界中で多数報告されています。中でも医学学術誌の中でも特別信頼度の高いネイチャー出版による学術誌「Molecular Psychiatry」に研究報告が掲載されました。
Molecular Psychiatry (分子精神医学)
Volume 6 Supplement 1 February 2001
薬物依存症の施設治療継続率の上昇:ニューロオリキュロセラピーとサブラクセーションにもとづくカイロプラクティック・ケア
- American College Of Addictionology & Compulsive Disorders, Miami Beach,Fl.,
- Parker College of Chiropractic, Dallas, Tx,
- University of Miami School of Medicine, Miami, Fl.,
- Village/Exodus Addiction Treatment Center, Miami, Fl.
- University of North Texas, Denton, Tx. and
- Path Medical Foundation, NY.
ニューロオリキュロセラピーとカプセル剤(プラセボ群)における無作為研究が施設居住の多剤乱用患者(例えば、「報酬欠陥症候群:RDS」)66人を対象に実施された。従来のポイントに加えて、辺縁系、脳、ゼロポイントがニューロオリキュロセラピー治療グループに組み込まれた。多変量ロジスティック回帰を使い薬剤なしでニューロオリキュロセラピーを10日以上続けた患者は、30日間の居住型のプログラムを完了する率が対照群と比べ高いことが分かった(オッズ比=9.68, p=0.026)。
一方、サブラクセーションベースのカイロプラクティック・ケア(Torque Release Technique)における無作為化プラセボ対照一重盲検試験が、同様の対象患者に実施された。
3つのグループに無作為に選ばれた:①積極的治療では、脊椎サブラクセーションを矯正するために毎日インテグレーター(クリック音と共にあらかじめ設定した方向と力と放つアジャストメント器具)を使用しアジャストメントを実施した。②プラセボの治療では、同じ器具を使用し同様にクリック音はするが方向と力をゼロに設定する。
そして、③通常の治療では、居住施設の一般的な方針に沿って治療が実施された。被験者数は、カイロプラクティックと通常の治療を行ったグループには33人、プラセボ治療グループには32人いた。積極的な治療のグループは全て28日間のプログラムを終了することができた。
一方、プラセボのグループではたった24人(75%)、通常の治療グループでは19人(56%)のみが28日間のプログラムを終了することができた。これらのグループのプログラムを完了できる確率は、積極的治療のグループと比較すると有意に差があった(p<0.05)。
Kaplan-Meier氏の残存分析によると、プラセボと通常の治療の継続率は、積極的治療に比べ低いことが分かった(Log Rank Test, p<0.001)。4週間のSpielbergerの状態不安テスト(Spielberger State Anxiety scores)は、積極的治療グループで32.0 + 1.6、一方プラセボグループで42.5 + 3.0、通常の治療グループでは33.1 + 3.7であった。
積極的治療とプラセボのグループでは、4週間で有意に差が見られた(p<0.05)。また、積極的治療グループでは不安度が有意に減少していた(19.0 + 2.2, p<0.001)のに対し、プラセボのグループでは不安度の減少は見られなかった(2.3 + 2.9, ns)。
積極的治療グループでは、1回以上ナーシングステーションを訪れたのは9%に過ぎなかったが、プラセボのグループでは、56%(p<0.001 積極的治療と比較))と48%(p<0.002 積極的治療と比較)であった。まとめると、このような形態の治療方法は、RDS(報酬欠陥症候群)患者の施設治療継続率の上昇が大いに見込まれ、今後の研究が必要である。
ジャーナル・オブ・サイコアクティブドラッグス
これは精神科分野で信頼度の高い学術誌ですが、ここにDr. Kenneth Blum, Dr. Jay Holderを始め世界中の著名な研究者の協力により行われた研究が掲載されました。その後この研究の部分が1冊の本に「報酬欠陥症候群」としてまとめられました。
Journal of Psychoactive Drugs
抄録
Nov. 2000, Volume 32, Supplement
Reward Deficiency Syndrome(RDS): A Biogenic Model for the Diagnosis and Treatment of Impulsive, Addictive, and Compulsive Behaviors.
報酬欠陥症候群(RDS):衝動的、依存的、強迫的行動の診断と治療の生体モデル
ドーパミンシステムでは、特にドーパミンD2受容体は、脳報酬系に広く関与している。D2ドーパミン受容体の機能障害は、アルコール、薬物、タバコ、食物、その他の関連行動(病的ギャンブル、トゥレット症候群、注意欠陥多動障害)を含んだ、ある特定物質を探し求める行動につながっている。
この論文では、D2ドーパミン受容体の遺伝的変異型についてと、報酬欠陥症候群(Blumによって最初に提唱された)によくある遺伝的決定基について論じる。アルコール依存と上記の依存、強迫、衝動の障害に関連する生物学的表現型の分類について過去の研究を考察する。
広い定義でこれらに分類されるのは、脳神経伝達物質系と神経電位である。重度のアルコール依存、ハイリスクの親族、心理的刺激依存、麻薬依存、炭水化物暴食、喫煙依存、多剤乱用、病的ギャンブル、暴力犯罪、統合失調症、回避性人格障害、ADHD、トゥレット症候群、自閉症、その他RDS行動関連の障害について、遺伝子型変異に関して多くのことが科学的研究で明らかになっている。
これらの研究から強く示唆されるのは、神経伝達物質の機能が低下状況、特にドーパミン作用低下で、RDSが起こるということである。また、RDS行動は、多遺伝子が関わっており、症候群のすべての異型に複数の遺伝子変異が関与しているということをこの論文では指摘している。
研究では、これらの神経伝達物質系のクローンの特定遺伝子を用い、これらは関連性があるか親族ベースのつながりのある研究をフルに活用した。後者の場合は何千もの遺伝子発端者が採用された場合に限る。特定の神経電位の性質(関与電位のP300要素の振れ幅と潜伏)を示唆する証拠が示されたことは、RDSリスクのある子供の鑑別に使用できる明確なマーカーになる可能性がある。
この論文ではまた、アルコール依存のドーパミンD2受容体(DRD2)遺伝子のマイナーTaq1 A1対立遺伝子の関連研究に関する矛盾した結果についても論じている。著者は、メタアナリシスにより関連性が強く示唆され、関連性の欠如は、アルコール依存の重症度の評価の失敗、薬物使用と他のRDSのスクリーニング管理の失敗によるものであると結論づけている。
この論文は、RDSの治療に、薬剤、栄養、神経フィードバック、電気的理学療法、ニューロオリキュロセラピー、カイロプラクティックなど多種類の方法を用いたデータを好意的に考察した。さらなる研究では、低ドーパミン作動性辺縁系機能をもつLewisラットなどを用いて、RDSの動物モデルをきちんと定義すれば、多遺伝子メカニズムが関与するこの複雑な疾患を解明する場となるだろぅ。量的形質遺伝子座研究を採用するのも可能性の一つである。
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